変わり種Jazz【45】Baby Face Willette "Stop and Listen"【1979】

変わり種Jazz【8】Baby Face Willette “Face To Face”【1961】に続き、2作目のベビー・フェイス・ウィレット【wikiウィキ】作品を紹介いたします。

ウィレットは、1961年にBluenote Recordsから2作のリーダー作をリリースしただけで、N.Y.を去り表舞台から消えてしまいました、その後、1964/1965年にシカゴのArgo Revordsから2作のリーダー作を発表し復活したかのように思えましたが再び消息が途絶え、1971年にひっそりと亡くなるという寡作のオルガン奏者でした。前回紹介した”Face to Face”【1961】はBluenote第1作で、今回取り上げる”Stop and Listen”【1961】が同2作目に当たります。

作品数の少なさもあり、ウィレットはマイナー・ジャンルであるオルガン・ジャズの世界でも、言葉は悪いのですがB級オルガン・グラインダーである感は否めません。オルガン・ジャズ界には唯一神として君臨したJimmy Smithがおり、基本的にはジミーとそれ以外の世界ですので、ジミー以外は全員B級という乱暴なカテゴライズも可能ではあります。そのB級グループの中でもウィレットの地位は下の方と言ってしまっても良いかもしれません。

そんな一般的な評価のあまり高くないウィレット作品をなぜ再び紹介するのかといいますと、ノリが良く楽しいから。その一言に尽きます。一般的に言ってモダン・ジャズの魅力とは、新しいジャズの形を作り出そうと試行錯誤を重ねた上の革新性や冒険心です。更に、身を削り命をすり減らすかのような渾身の演奏と言うこともできるかもしれません。全身全霊をジャズに捧げた若者たちによる情熱の賜物的な魅力がモダン・ジャズの基本です。ジャズに心を奪われてしまったジャズ中毒者である私のような者からすればそう思えます。美化しすぎと言われるかもしれませんが。

ただ、その一方で、それほど肩肘張らずに気軽に楽しめる路線のジャズも存在しました。そもそもジャズが誕生し人気化したのはダンス・ミュージックとしてであったという原点に忠実なタイプのジャズです。モダン・ジャズ期の作品でこの手のノリ優先の作品は一般的にソウル・ジャズと呼ばれております。今回紹介する”Stop and Listen”は、モダン・ジャズ作品としてはB級作品あるいはC級作品かもしれませんが、ソウル・ジャズ作品としてはA級と言っても過言ではありません。明るく楽しいノリ優先の作品で、難解な要素など一切ないストレート・アヘッドなジャズ作品として楽しめるはずです。


Baby Face Willette “Stop and Listen”【1961】
ベビー・フェイス・ウィレット 「ストップ・アンド・リッスン」【1961年】

パーソネルは以下の通り【参照:wiki “Stop and Listen”】。

org:Baby Face Willette

g:Grant Green【過去記事
ds:Ben Dixon【wiki

オルガン/ギター/ドラムスによる典型的なオルガン・トリオ構成。第1作同様、ギターはグラント・グリーン。”Face to Face”はテナー奏者の入ったカルテット構成でしたが、トリオ構成の今作ではよりオルガン・ジャズの魅力がストレートに楽しめるはずです。

4曲目収録”Stop and Listen”。

冒頭からリズムに乗ってノリの良いウィレットのオルガンでスタート。2:10からグリーン。ウィレットがちょっかいをかけてくるのでグリーンは少しやりにくそうではありますが。

5曲目収録”At Last”。1960年にBlues/R&B系ヴォーカリストEtta Jamesが大ヒットさせたことで知られております【youtube Etta James At Last】。

ヒットしたポップ・チューンをすぐさまカバーするというパターンは、1960年代のソウル・ジャズではよくあることでした。

6曲目収録”Soul Walk”。

ジャズ愛好家の皆さまは聴いた途端お気づきになるはず。タイトルからも類推できますが、Art Blakey and the Jazz Messengersの人気盤”Moanin'”収録の”Blues March”のパクリといいますかオマージュといいますか、アンサー・ソングとなっております。あちらがブルーズならこっちはソウルだ!ということなのでしょう。

ウィレット作品は、全ジャズ愛好家向けとまでは言えません。ソウル・ジャズ愛聴家なら楽しめるはずですし、R&Bやソウル・ミュージックを好まれる音楽ファンにもお勧めできます。

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